今年の秋も終わった。
彩りは散り果て、また錆びたように薄れ、石見独特の灰色の領域へと収斂される。
木の枝が黒く曇天の空に伸びている。
その梢でモズが乾いた声で鳴いている。
思えば、青く抜けるような空の日々は、この石見では長くは続かない。
この地では、秋の陽に映える彩りとの対峙は、稀有な邂逅のひとときなのだ。
薄ら陽に、ひっそりと輝く彩りも悪くはない。
というよりも、それが他でもない石見の秋の眺めなのだ。
テレビや雑誌で紹介されるような観光地のような派手さはないが、渋く、そしてこの地で育ったものには忘れがたい彩が、しっかりと在る。